溶接技術が優れた日本では、自動車部品に使われる鋼管は主に「電縫管」(鋼板を管状に丸めて継目を溶接して製造された電気抵抗溶接鋼管)をベースにしています。
「シームレス鋼管」(継目無し鋼管)は国内でも石油掘削用などで生産されていますが、以下のアドバンテージがあるにもかかわらず、その高価格ゆえに自動車部品用途として広く普及していません。
・電縫管が苦手な中高炭素鋼などの材質や、厚肉材にも対応できる。
・断面全周で硬度・強度の差異が無く、過酷で均一な後加工にも耐えられる。
・棒鋼から製造されている部品の中空化を、材質を変更することなく実現できる。
そもそも「シームレス鋼管」とは
製鋼メーカーで製造された丸棒を加熱し、1,200℃前後の高温状態で、その中心に金型を押し込んでいくと、丸棒は中空のパイプ形状にかたちを変え、金型の進入方法と逆の方向に伸びていきます。これがシームレス鋼管です。
中国シームレス鋼管 冷間加工の最前線
溶接技術に不安を抱えた中国では長らく「鋼管=シームレス鋼管」でした。
全世界生産量の過半数をしめる中国製シームレス鋼管が、日本で自動車部品用途として選ばれてこなかった背景には、偏肉、寸法精度、表面品質などの技術/品質的要因がありました。
これらを抜本的に解決する「コールドピルガー加工」が、2010年代初期から日本企業の間でも注目されて始め、中国製シームレス鋼管に対する再評価が進んでいます。この工法が上記の技術/品質的な課題を解決し、且つ、コストパフォーマンスにあふれる精密シームレス鋼管を生み出します。

安くて良いのはわかった。それでも…
「中国から不慣れなシームレス鋼管を輸入して本当に大丈夫なのか?」
「中国のどのメーカーの材料がいいのかわからない」
「サプライヤーから提示される材料価格がリスクに見合うほど安くない」
そんなお客様のご心配やご不満の声を、私たちは20年近く触れてきました。
高い競争力を持つ中国製シームレス鋼管を安全にお使いいただくために
日本企業の中国拠点(自動車用シームレス鋼管部品メーカー)での12年間の工場経営経験を通じて、日本の自動車業界のお客様にコスト競争力を損なうことなく、且つ、安心してお使いいただくためには、以下の3つの条件が不可欠だと私たちは考えます。
- まず商社がお客様の設計意図、及び、部品用途を正確に理解すること
*これによりお客様にとって最適な【母材メーカー ✕ 加工メーカー ✕ 製造工程】をご提案できます。そのためには鉄鋼材料・材料加工・部品加工のすべてに精通した技術商社が必要です。
- プロの目利きで厳選された中国ローカルメーカーと長期的な相互信頼関係を構築すること
*同業他社で実績のあるメーカーを採用することは簡単です。しかし、その中国メーカーとの強固な人間関係なくして「万一の場合」への対処は不可能です。
- 選定するメーカーは、熱間穿孔からコールドピルガー加工までの一貫工場であること
*「シームレス鋼管は割れない」とは神話に過ぎません。高い比率で品質問題の真因は素材、及び、熱間穿孔工程にあります。コールドピルガーや引抜のみに従事する材料メーカーは、価格競争力だけでなく品質管理・保証も担保できません。
中国シームレス鋼管を知り尽くす私たちにお任せください。